私だけに甘いあなたと恋をする
「おばさんから勉強を見てくれって頼まれたんだけど」


「えっ!」


キッチンに居るお母さんを見ると、ニコニコ笑っている。


「響くんね、高校の先生なんですって。受験なんだし、響くんに教えてもらいなさいよ」


「いいの?」


「もちろん。まゆが良ければだけど」


響ちゃんが先生してくれるなんて嬉しい!


「お願いします」


「はい、承りました」


ぺこりとお辞儀をすると、響ちゃんもお辞儀を返してくれた。


───やっぱりさっきのキスは夢だったのかもしれない。


私の部屋で、隣り合って数学の勉強中。
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