私だけに甘いあなたと恋をする
「ねぇ、響」


「ん?」


「さっきの…」


「『さっきの』って?」


まさかの…。

自分の言ったこと覚えてない?

こっちはめちゃくちゃ動揺(どうよう)したのにっ!

もしかして、ストレートに言わなきゃ伝わらないとか?


思い切って口を開く。


「……私…響にだったら、色んなこと教え込まれたい…」


「……」


「響?」


反応がないから振り返ったら、真っ赤な顔をして私を見下ろす響と目が合った。


「ちょっ…。今の…反則……」


「え…」


「見ないで…」


右手で自分の顔を隠してそっぽを向く響。
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