私だけに甘いあなたと恋をする
「ありがと…」


あのままだったら間に合ってなかったと思うから。

でも…めちゃくちゃ近い。


「わっ、私臭くない?」


ブラウス一枚とはいえ長袖。

走ったから汗もかいたし。


「臭くない。ってか、むしろいい匂いする」


真鍋くんの顔がもっと近くなった。


わっ!

近いっ、近いよー!


自分で言ったくせに、自分の発言を後悔。


恥ずかし過ぎる…。


ドキドキが止まらなくて。

どこを向いたらいいか分からなくなって下を向く。


「むしろ、俺の方が臭くない?」


真鍋くんの言葉に鼻を近付けて匂いを()いでみた。


…制汗剤かな…。


(さわ)やかな匂い。
< 231 / 449 >

この作品をシェア

pagetop