私だけに甘いあなたと恋をする
そんな桜田駅が私の降りる駅。

桜田駅も学校の最寄駅である『三芳(みよし)駅』も快速が停まるから乗り換え要らずで楽なんだけど。

朝は通勤ラッシュで人が多いのは仕方ないけど、まさか帰りにもその波に飲まれるなんて思ってもみなかった。


宿泊学習が終わるまでこれに耐えなきゃダメなのかぁー。


「桜田、桜田です。左側の扉が開きます。ご注意ください」


頑張ろっ!


電車が完全に停まり、背中側のドアが開く。


え――…。


体を反対に向けようとしたら背中に真鍋くんの腕が触れて。

抱き寄せられるようにして電車から降りた。
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