私だけに甘いあなたと恋をする
降りた人達の波が、我先にと走るように近くの階段へ流れていく。


(いて)っ」


そんな流れに巻き込まれそうになった私を真鍋くんが(かば)ってくれた。


「ご、ごめん!大丈夫?」


「ああ、うん。いつもこんなの乗ってんの?」


「ううん…。初めて」


人が電車からはみ出るほどの超満員電車。

朝からそんなのに乗る勇気はなくて。

少し早めの普通電車で座って登校。

通過待ち中の駅で通り過ぎていく快速はいつもぎゅうぎゅうで。

よく圧死する人が出ないなぁーなんて感心してるほど。

今のはそこまでじゃないけど、それでも経験したことのない人の多さ。
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