私だけに甘いあなたと恋をする
※※※



「まゆちゃん、カッコよかったよー!」


入館式も終わって各自部屋に荷物を運ぶ時、カナちゃんが両手を広げて飛びついてきた。


「ありがとう。でも、緊張してたからちゃんと喋れてたか分かんなくて」


そう。

響と目が合って頑張ろうと思ったけど、そんなことぐらいじゃリラックスできるわけもなくて。

ハッキリ言って頭の中は真っ白。

覚えたはずの文章をきちんと喋り切れたのかも分からない。

でも、皆が拍手してくれたから大丈夫なはず。


「ちゃんとしっかり喋ってたよ!でも、まゆちゃんより森くんの方が注目されてたけどね」


そう言って笑う。
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