私だけに甘いあなたと恋をする
※※※



……って思ってたのに…。


「やっと捕まえた」


必死で逃げたけど身長差がある分歩幅もあって、あっという間に追いつかれてしまった。

逃げた先が行き止まりでそれ以上逃げられない。

目の前には壁。

振り返ったら森くん。

徐々に距離を詰められて壁に背中が当たる。


「もう逃げられないからな」


何か悪役のセリフっぽい…。


私の両脇の下に両手をつくから、本当に逃げられない。


「なあ、まゆり」


「――っ、近い近い近いっ!」


顔を寄せてくるから、そっぽを向いて両手で森くんの肩を押した。
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