私だけに甘いあなたと恋をする
森くんみたいな人は遊び慣れてるだろうから、そんなことも平気なのかもしれないけど…。


「おかしいのか?俺」


どういう…こと?


「分かんねーんだよ、何でこんな風になるのか…。なぁ…。ずっと聞きそびれてたけど、その相手って誰?」


「言っ、言わない!」


「『きょ』って誰だよ。それ、どこをどう見てもキスマークだろっ!」


「やっ!」


両手首を捕まれて壁に押し付けられる。


やだっ!


「何やってるの?」


怖くて泣きそうになってると、肩越しに声が聞こえた。


「きょ…」


響――…。


名前を呼びかけて慌てて口を(つぐ)んだけど、森くんに聞かれてしまった。
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