私だけに甘いあなたと恋をする
「へぇーっ…。そういうこと」


一瞬目を見開いたかと思ったら、私の目を見てニヤッと笑う。


バレた…。


頭からサーッと血の気が引いていく。

喉に空気が貼り付いて、ちゃんと息も吸えない。


「アンタか」


森くんが振り返ったら、向こう側に響の姿が見えた。


「何が?」


首を傾げながら近付いてくる響。


道理(どうり)で俺に食ってかかってくるわけだ」


「何を言ってるのかよく分からないけど…。彼女嫌がってるだろ。その手を離しなさい」


聞いたことのない低い声。


「しらばっくれたって全部バレてんだよ。まゆりのキスマークの相手、お前だろ」


響の動きが止まった。
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