私だけに甘いあなたと恋をする
「だったら何?」


え…。


否定するのかと思ってたから、響の一言に驚いた。


「開き直んのか」


「別に…。嘘つく必要性がないし。それよりもまゆりを離して」


森くんの両手から力が抜けた一瞬を見計らって、走って響に飛びつく。


「響…」


腰に手を回してぎゅっと抱き締めると、私の背中に両手を回して同じぐらいの力で抱き締め返してくれた。


「……教師と生徒って…何考えてんだよ…。おかしいだろ…」


森くんの表情が(ゆが)む。


「違う…」


「何が違うんだよ!何も違わないだろ!」


「私が…。私が響のこと好きでこの高校に追いかけてきたの…」


嘘は吐いてない。
< 248 / 449 >

この作品をシェア

pagetop