私だけに甘いあなたと恋をする
「……何も…されてない?」


足音が聞こえなくなったところで響が口を開く。


「…ん」


「良かった…」


私をぎゅっと抱き締めていた腕の力が緩くなって、肩から腰まで包み込むように抱き込まれた。


「どうして私がここに居るって分かったの?」


響の胸に頬を押し付ける。

心臓の音が心地よくて目を閉じた。


「まゆりの匂いを辿(たど)ってきた」


匂いを辿る!?


「犬じゃん」


クスッと笑う。


「まゆりしか辿れないけどね」


頬に触れる響の頬。

犬がそうするように頬をすり合わせてくる。
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