私だけに甘いあなたと恋をする
「私が響のこと…ちゃんと隠せなくて…」


森くんにバレちゃった…。

私のせいだ。


「…ごめんなさい」


「なるようになるって。今そんなこと気にしても仕方ないよ」


スッと手を差し出される。


「おいで」


ゆっくりと歩いて響の前で止まると、目尻に溜まった涙を両手の親指で拭ってくれた。


「ずっとこうやって一緒に居られるよね?」


「当たり前でしょ」


頭にポンと乗せられる手。

もしかしたら…と思うと苦しくて。


「響…」


「ん?」


「……ぎゅってして…?」


好きになったらそれだけで幸せだと思ってた。

だけど、この幸せがなくなってしまわないか不安になる。
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