私だけに甘いあなたと恋をする
「別に好きでそんな風に育ったわけじゃねーだろ。それに、高校生にもなって本人の居ないところで悪口言うのってどーかと思うけど」


真鍋くんの言葉に、近くで喋ってた子達が気まずそうに顔を見合わせて黙った。


前に森くんも同じこと言ってたなー…。

そういう意味でも森くん悪い人じゃないんだよね。

難しい性格してるけど…。


「それでは一位の発表でーす!」


あ。

終わったんだ。


先生の声に顔を上げれば、列に戻ってきた森くんが横を通り過ぎる。

目で追ったけど視線がぶつかることはなくて。


どう接したらいいんだろ。


森くんの後ろ姿を見ても何も思いつかなかった。
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