私だけに甘いあなたと恋をする
「ふーん…。そ――」


「第一位は――っ、上村先生でーす!はい、皆拍手ー!」


真鍋くんの声が先生の声に書き消された。

響の名前が呼ばれて意識がそっちに向く。


「何とっ!上村先生、一人で二百本も鉢巻きを強奪――げほげほ…。獲得したんですねー」


言い直したけど…。

強奪って……。

でも、本当(ほんと)すごい。

先生チーム鉢巻き取られた人多かっただけで、響は断トツだったんだ。


学年主任の先生の隣に無表情で立つ響。


「一人で二百って相当だよね。でも上村先生、カッコいいけど冷たそう」


カナちゃんが私の近くで囁いた。
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