私だけに甘いあなたと恋をする
冷たい…。


『まゆり』


全然冷たくないよ。

むしろ、すごく熱っぽい目で見つめられるんだよ。


『俺だけ見てて』


至近距離で囁かれて抱き締められて。

熱い吐息に優しく触れる指先。


私だけが知ってる私だけの響…。

私しか知らなくていい。

でも――。


「……先生、いい人だよ」


そのことは皆に分かってほしい。


我が(まま)だけど…。


「そっか。まゆちゃん、学級委員で先生と関わること多いもんね」


「うん」


「彼氏さんと先生、どっちがカッコいい?」


カナちゃんの言葉に後ろから鼻で笑う森くんの声が聞こえた。
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