私だけに甘いあなたと恋をする
「晃大とかすぐに職質受けそうだな」


「今んとこ、まだねーけどな」


職質は受けたことねーけど、俺を見る周りの目は決して好意的ではない。


「なー」


冷蔵庫からレタスとトマト、ベーコンを取り出す。


「んー?」


「その警察官とどーなの?」


「俺のことに興味示すなんて珍しいじゃん」


ソファーに座っていたと思っていた兄貴がいつの間にか俺の隣に立っていた。


「俺も手伝う」


張り切って腕まくりし野菜を洗う兄貴。

こうやって一緒にキッチンに立つのは初めてだ。


「全然相手にされてない感じ」


「マジか」


兄貴が相手にされないって、どんな女だ。
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