私だけに甘いあなたと恋をする
「……俺…、多分好き……なんだと思う…」


伏し目がちで若干目が潤んでる。

耳まで真っ赤。


「……可愛いな、おい。男ってこと忘れて押し倒しそうになったわ」


「…んでだよっ!」


ちょっと軽口を叩くと、途端に足の裏で俺の太股を蹴る真似をしてきた。


「ってか、そーゆー晃大こそそんな話ねーの?」


兄貴の言葉に、まゆりの姿が浮かぶ。

頭の中で俺を見るまゆりは警戒心剥き出しで。

それでも上村に抱き締められて、嬉しそうにアイツの胸に頬をすり寄せる。


「……ねーし」


ズキズキと痛む心臓。

この痛みが何なのか、自分でもよく分からない。
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