私だけに甘いあなたと恋をする
「キスは?」


「……ほ…」


「ほ?」


「…頬っぺたになら…」


あの時のことを思い出すと心臓の鼓動が早くなる。

本当に深い意味もなくて。

近付いたら、たまたましてみたくなったからしただけで。

実家で買ってる猫と遊んでる時のような、そんな感覚だった。


「その調子だと、その先なんかやってないっぽいな」


「するわけねーだろ!バカなのか?」


「付き合ってなくてもできるじゃん」


……マジで、親父といい兄貴といい…。

自分の欲望に対して素直に生き過ぎだろ…。
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