私だけに甘いあなたと恋をする
※※※



「ま、でも兄貴には感謝かな」


サラダと明太子のパスタを平らげ、使った食器を洗う兄貴にお礼を言った。


「どーいたしまして。こっちこそ晩飯作ってくれて助かった。それに何か来た時と違って憑き物落ちた顔してるし、良かったんじゃない?」


洗い終わった食器を水切りかごに並べ、タオルで手を拭きながらソファーに座る俺のところへやって来る兄貴。


「いつも家でお袋の飯作らされてるし、どってことねーよ。んじゃ帰るわ」


「何、その大荷物」


「宿泊学習」


学校で解散してそのままここに来たからか、でっかい鞄に驚いている。
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