私だけに甘いあなたと恋をする
「ノートって結構重いから、三輪さん一人で運ぶの大変だろうと思って」


「そう、ありがとう」


「こんなの朝飯前です。それに、もっと先生のお手伝いしたいのでどんどん言って下さいね」


嬉しそうな声。

響のことが好きってすごく伝わってくる。

日本人形みたいで、無表情の時が一番綺麗だと思ってた麻田さんの笑顔があまりに可愛くて。

心臓がズキリと痛んだ。


「先生の食べてるお弁当、もしかして彼女さんが作ってくれたんですか?」


響のすぐ傍に歩み寄って手元を覗き込む。

半分以上空になったお弁当。

あれから毎日お母さんが作って手渡してるらしくて。
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