私だけに甘いあなたと恋をする
お弁当の中身は私も響も同じ。

同じ場所で食べてたらすぐにバレちゃうかもしれないけど、学校内では別々だから今のところ怪しまれたことはない。

だけど、自分が彼女だと名乗れないのは苦しい。

そう思ってたら――。


「彼女のお母さん」


「「え…」」


思わず麻田さんと私の声が重なった。


「彼女の……お母さん…ですか?」


麻田さんの声が震えてる。

そりゃ、彼女どころか相手の親が出てきたら何て反応したらいいか分かんないよね。


「そ。いいって言ってるんだけど、ちゃんと食べろって毎日作ってくれるからありがたいよ」


私を見て微笑む響。

それだけで胸がいっぱいになった。
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