私だけに甘いあなたと恋をする
「――っ…」


「痛っ!」


突然、勢いよく振り返って走り出した麻田さんの肩が私の肩にぶつかる。

それでも立ち止まることもないまま、彼女は準備室から出ていってしまった。


「大丈夫?」


ぶつかった肩を押さえていたら、立ち上がった響が私のところにやって来る。

そして開けっ放しになった入り口のドアを閉め、後ろから両手を回して私を包んだ。


「まだ痛い?」


響の手のひらが私を抱き締めたまま肩に触れる。

すぐ耳元で囁かれ、ビクリと震える体。


「大…丈夫…」


「そう。なら良かった」


そう言って後ろから器用に私のブラウスのボタンを外した。
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