私だけに甘いあなたと恋をする
「んっ…」


鎖骨からブラウスの中に手を入れ腕に沿って滑らせると、肘の辺りまで空気に(さら)される。

空調が効いたこの部屋では少し肌寒いぐらいなのに、触れるか触れないかぐらいの繊細な手つきで腕を触るから体の奥が熱くなってきた。


「先…せ…」


「二人きりの時は名前で呼んで」


「…響っ…、ん…やっ」


指先と同じぐらい繊細なキスを体の線に沿って首から肩、背中へと落とす響。

抗議するために振り返ったら、そのまま唇を塞がれた。


「――ふ…、あ…」


「…まゆり」


「――()っ」


最近は、学校でも家でもこうやって二人きりになってはキスされて…血を求められる。
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