私だけに甘いあなたと恋をする
「あ、……やっ」


一瞬なのに何回経験しても痛みには慣れなくて。

だけど響が刺した皮膚はジンジンする痛みと同時に、熱い舌に舐められ吸い上げられて甘い痺れをもたらす。


「まゆり…」


何度もキスを交わしてようやく離れた時には、キスで唇が腫れるほど。


「愛してるよ」


そう言って私を強く抱き締めるのに、ほんの一瞬見せる苦しそうな表情の原因は何?

すごく大好きなのに、響の心の奥にある気持ちが分からなくて怖い。


他に好きな人ができたら?

必要とされなくなったら?


そんなの…やだ…。


「私も…、愛してる」


ギュッとしがみつく。

見えない何かから身を守るように…。
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