私だけに甘いあなたと恋をする
きっと皆そうやって後悔して。

でもどこかで踏ん切りをつけなきゃいけないから、諦められない気持ちに(ふた)をして無理矢理前を向いて歩いていくんだ。


「ね、カナちゃん」


「ん?」


「真鍋くんが甲子園行けるようにお守り作ら――」


「作るっ!!」


そう言い終わる前に勢いよく顔を上げ、机をバンと両手で叩く。


「あたし、裁縫苦手だけど絶対作る!」


「そっか。喜んでくれるといいね」


「うん!」


機嫌良くなったみたいで良かった。


皆、それぞれの場所でできることを頑張ればいつかは何かしらの結果がついてくる。

そう信じてるから。
< 333 / 449 >

この作品をシェア

pagetop