私だけに甘いあなたと恋をする
「開けた方がいい感じ?」


(うかが)うようにカナちゃんと袋を交互に見る真鍋くん。

カナちゃんが大きく(うなづ)いた。

その言葉を合図にして袋を開ける真鍋くんを、真剣な眼差しで見ている。


「え…、もしかして手作り…?」


出てきたのは、土曜日カナちゃんに提案したお守り。

野球ボールの形。


「ちょ…、ちょっといびつな形になっちゃったけどね…」


「ふーん…。あ、ここ?」


「いっ…、いちいち(あら)探ししないでよ!返せっ!」


真鍋くんがまじまじと見つめていたお守りを奪おうと、カナちゃんが手を伸ばした。
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