私だけに甘いあなたと恋をする
「刺してみる?」


「刺さないよっ!」


そんなことするわけないじゃん。


「まゆりは優しいね」


「ひゃっ」


指先で首筋を縦になぞられ、全身に鳥肌が立った。


「俺はしょっちゅうまゆりのこと刺してるのに」


指先の次は響の舌が私の首筋を這う。


「――っ、や…。だって、それは…」


血が必要だから…でしょ?


「まゆり、こっち向いて」


響が私の頬に手を添えるから、ゆっくり振り返れば唇が重なる。


「…ん…、ふっ…」


手を繋ぎソファーを挟んでキスをしていると、ガチャッとリビングのドアが開く音がした。
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