私だけに甘いあなたと恋をする
響を見たら舌をペロッと出しておどけてる。


「俺部屋に行くね。頑張って」


「ん、ありがと」


頭を撫でられて胸の奥がじんわり温かくなった。


「ね」


リビングを出る響を見送ってお守りに向き直ったら、待ち構えたようにお母さんが声を掛けてくる。


「何?」


相変わらずジト目のお母さん。


「あなた達…どこまで進んでるの」


「なっ、何いきなりっ!」


「だって響くんにそんなの聞けないじゃない」


いや…確かにそうだけどさ。


「何でそんなことお母さんに言わなきゃいけないの」


無理無理。


「だって何かあった時に傷付くのは女側なんだからね」


…何もないもん。
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