私だけに甘いあなたと恋をする
「スタメンじゃないんだ…」


少し残念そうなカナちゃん。


「まあ…一年生だしね。ここで勝ったら甲子園だし、まだまだ機会はあるよ」


今までの試合でピッチャーとしてマウンドに立ったのか、真鍋くん本人に聞いたことはない。

だけどもし投げてたとして、自分からそれを言い広める人じゃないってことも分かってる。


出られるといいな。


「プレイ!」


球審が合図をして試合が始まった。

ピッチャーは名前も知らない三年生。


ううっ、ドキドキするー。


手を組んで祈るような気持ちで見守る。


「ストラーイク!」


最初のボールはストライク。


このまま順調にいきますように。
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