私だけに甘いあなたと恋をする
…大丈夫かな…。


『困る』。

そう言った時のカナちゃんの歪んだ表情。

真鍋くんはそっぽを向いちゃったから見てないだろうけど。

見守ってるだけの私の心臓だってキュッと締め上げられたんだから、きっとそれ以上に…。


「ったく…。いつまでそんな顔してんのよ!そんな風にされたらやり辛いしっ!」


真鍋くんをバシバシ叩くカナちゃんはいつも以上に楽しそうで。


「――っ、お前なぁーっ」


「あ!あたしトイレ行きたい!じゃっ!」


慌てて立ち上がったかと思うとものすごいスピードで教室から出て行った。


――追いかけなきゃ。


席を立とうとしたら右腕を掴まれバランスを崩す。
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