私だけに甘いあなたと恋をする
「何ちゅー顔してんだよ」


空いてる方の手で顔を挟まれる。

無意識のうちに唇を尖らせてたみたい。


「っ、離してよっ」


「はっ」


また鼻で笑われた。

森くんのせいでひょっとこみたいな顔になってるはず。

そんなことしといて笑うなんて、森くんって本当(ほんと)サイ――


「可愛ー」


へ?

…可愛い?


「ぶはっ!んだよ、その顔っ」


ゲラゲラ笑って私の顔を解放する森くん。


「かっ、…『可愛い』って何っ!?」


「まんまじゃん」


まんま…。


「ものすごい顔にしといて『可愛い』はおかしいでしょ」


「どんな顔でも可愛いよ、まゆりは」


ざわつく教室。
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