私だけに甘いあなたと恋をする
――っ、何でそんなことさらっと言うの…?


小声で話してたはずなのに気が付けば皆から注目を浴びてて。


「もっ」


「も?」


「森くんのバカ――ッ!」


慌てて席を立ち上がって逃げるように教室から飛び出した。


森くんのバカバカバカ!

皆の前であんなこと言わなくてもいいじゃん。

誤解されたらどうするのよ!


ドスドス言いそうな勢いで廊下を歩き続ける。


『どんな顔でも可愛いよ、まゆりは』


自然と足が止まった。

森くんの言葉が頭の中で何度もリピートされる。

両手を頬に当てると火傷(やけど)するかと思うほど熱い。


……変な噂…立たないかな…。
< 367 / 449 >

この作品をシェア

pagetop