私だけに甘いあなたと恋をする
「……ごめん…。体調…悪いから、保健室行ってくる…」


「えっ」


そんなに?


「わ、私も一緒に――」


「来ないで!」


『行くよ』という言葉はカナちゃんの叫び声に(さえぎ)られた。


「っ、ごめん…。そんなつもりで言ったわけじゃないんだ…。でも今は一人になりたい…」


ハッとしたカナちゃんの表情がまた(ゆが)む。

そして私に背を向けると、勢いよく走り去ってしまった。


…拒絶……されちゃった…。


『本人がどうしてほしいのかなんて結局のところ何も分かんねーじゃん』


森くんの言葉が頭の中で繰り返される。
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