私だけに甘いあなたと恋をする
階段を下りて一階にたどり着く。

そのまま奥の何もない壁の前に連れて行かれると、繋いだ手を引っ張られて体が反転した。

目の前に響が立ちふさがって、私の肩の両側に手をつく。

数え切れないほどキスもしてるし血も吸われてるのに、お互いの息が触れるこの距離には慣れなくて。


「まゆり」


顔が近付いてきて耳元で名前を呼ぶから心臓が耳の奥で痛いほど激しく脈打ってる。


「…っ」


恥ずかしくて下を向いてたのに、両手で頬を挟まれ上向かされた。


「少し…落ち着いたかな」


(まぶた)に触れる響の唇。


逆に全然落ち着けないんだけど。
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