私だけに甘いあなたと恋をする
「……大好き」


響の全部が大好き。


「何それ、(あお)ってる?」


塞がれる唇。


「ん…、ふっ…」


熱い息と舌が思考を奪っていく。

ここが学校だってことも忘れそう。


「きょ…っ…」


ぎゅっと服を握り締めると、両肩に手が置かれ一気に距離が空いた。


「――っ、ごめ…」


背けられる顔。

何かしたのかと不安になる。


「……見境がなくなってきてる…気がする…」


「え…?」


見境?


「まゆりの顔見ると触れたくて…」


顔は見えないけど、耳まで真っ赤。
< 374 / 449 >

この作品をシェア

pagetop