私だけに甘いあなたと恋をする
「大人の俺がちゃんとしないといけないのに、このままだとそのうちまゆりに手出しそう…」


……出してくれてもいいのに…。

でも真面目な響はそんな自分を許せないんだよね。


「私は響の心の準備ができるまで待っとく」


これって男女のセリフ逆じゃない?なんて思ったけど。

そう伝えたら響が安心できると思ったから。


ばつが悪そうな顔をして私を見る響の服を引っ張って微笑んだ。


「――っ、もー…。ま、でもさっきと比べてだいぶ落ち着いたみたいだし、そろそろ教室に戻った方がいいよ」


頬を撫でる指が愛おしい。

顔を向けてその手のひらにキスをする。

そして最後にもう一度唇を重ねた。
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