私だけに甘いあなたと恋をする
※※※



『あの時はごめんね』


そう言って後から謝ってくれたカナちゃんとは変わらず。

…なのに、前と比べたら何となく距離感を感じる毎日。

どう言ったらいいのか言葉じゃうまく説明できないんだけど…。


隣に居るカナちゃんを見つめる。

私の視線に気付いたカナちゃんが一瞬目を見開いた後、にっこり微笑んだ。


「いよいよだねー」


「うん」


今は夏休み。

そしてここは高校球児が憧れる甲子園球場。

大会第二日目の第一試合。

うちの高校と対決するのは甲子園で優勝経験もある愛知県の聖南(しょうなん)高校。

朝早いのにスタンドは人でいっぱい。
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