私だけに甘いあなたと恋をする
バッターが打席に立って真鍋くんがボールを投げる。

甲子園初めての投球はボール。

キャッチャーの合図に(うなづ)いて二球目、ストライク。

三球目、空振り三振。

その次のバッターもキャッチャーフライでツーアウト。


「真鍋くん、調子良さそうだね」


「うん。このまま順調にいけばいいね」


二人目をアウトにしてもうすぐ交代と思ってたら、そこから聖南の攻撃が始まった。

三人目がレフト前にヒットを打った後の四人目。

投げたボールが綺麗に打ち返される。

打球を見上げる真鍋くんと、どよめく甲子園。

高々と上がったボールはバックスクリーン近くの中段に落ちた。
< 382 / 449 >

この作品をシェア

pagetop