私だけに甘いあなたと恋をする
「あるよー。一球一球が見逃せなくて、集中して見てたら他が(おろそ)かになっちゃったんだもん」


うん。

間違いじゃない。


「そっか」


フフッと笑うカナちゃん。


「でも分かるよ、その気持ち。何せ相手は聖南だし、このまま負けたらどうしようって…。ハラハラするよね」


「…うん」


真鍋くん、大丈夫かな…。


今日何度目になるか分からないぐらい同じことを考えてる。


「もーっ、辛気臭い顔しないっ!まだまだこれからなんだし頑張って応援しよっ!」


「――っ!」


バチンと背中を叩かれて一瞬息ができなくなったけど、カナちゃんのおかげで気持ちの切り替えができた。
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