私だけに甘いあなたと恋をする
あ…。


ワンアウトでネクストバッターズサークルに出てきたのは真鍋くん。

もう、彼の一挙一動が気になって仕方がない。


「そんなに見つめてたら、アイツ穴開くぞ」


耳元で囁かれ、心臓が止まるんじゃないかと思うほどビックリした。


「も、森くんっ!」


「今飛び跳ねたな」


そう言って楽しそうに笑う。


「――っ…」


どこから現れたんだろ。


「突然現れるからでしょ!」


「突然じゃねーよ」


「え…」


「ずっとまゆりを(さが)してた」


「――っ…」


いつもだけど、何でそんなこと平気で言えるの。


私が好きなのは響なのに、森くんの言葉に振り回される。
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