私だけに甘いあなたと恋をする
…耳……熱い…。


耳たぶに触れると指より熱くて。

さっき囁かれた時、息だけじゃなくて森くんの唇が触れた気がした。


違うかもしれないけど…。


見上げるとフッと意地悪く笑う森くん。


「ちゃんと見とけよ。アイツの番だぞ」


腕組みしたまま(あご)で真鍋くんの方を指す。


「言われなくてもちゃんと見てますーっ。森くんが邪魔してきたんじゃない」


ベーッと舌を出して顔をグラウンドに戻した。


隣のカナちゃんの反応も森くんも気になるけど、今は応援しないと。

投げてるところは見たけど、打つ姿は初めて。

バットを振ったかと思ったらバッターボックスに向かって何かを叫んでる。
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