私だけに甘いあなたと恋をする
※※※



あ、ピッチャー真鍋くんじゃない…。


「牧園高校、シートの変更をお知らせします。ライトの竹本くんがピッチャー、ピッチャーの真鍋くんがライト。六番、ピッチャー、竹本くん。八番、ライト、真鍋くん。以上に代わります」


マウンドに上がったのが違う人だと気付いた時、ちょうどアナウンスが流れた。


「交代…させられちゃったね…」


「…うん」


カナちゃんの言葉に頷く。

ライトの守備位置に走る真鍋くんは固い表情のまま。


「でもまだまだこれからだもん」


「うん…、そうだね」


だけどお互い点数が入らないまま、試合は九回の表を迎えていた。
< 390 / 449 >

この作品をシェア

pagetop