私だけに甘いあなたと恋をする
「……田川…、ごめん…」


ビクッと震える田川。

野球をしてるから男子と抱き合うことには慣れてる。

だけど女子とかは初めてで。

本当に触っていいのか悩みながら腕にそっと触れ、俺の肩から外した。


「な…に…?」


目を真っ赤にして鼻をすする田川と至近距離で向かい合う。

明るくていつも笑顔のイメージしかない普段とのギャップに、心臓がギュッと痛くなった。


「俺……好きな子が居るんだ」


「知ってる。まゆちゃん、でしょ?」


「え…、何で……」


険悪になることも覚悟して告白したらあっさりと返事が返ってきて、拍子抜けする。
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