私だけに甘いあなたと恋をする
響ちゃん、どこに居るのかな。

自分の親を捜すより響ちゃん捜すとか、入学式で何やってんだって感じだけど。

一学年六百人のマンモス校。

学年の違いは、名札の色と体操服のラインの色。

だから制服だと後ろ姿を見ても何年生か分からない。

ただでさえ生徒が多いのに、先生達なんて埋もれちゃう。


「――ご着席下さい」


先生の言葉を聞きながら、座る時に壁側を見てみる。


んー…。

やっぱりこんなに多いと見つけられないよなぁー。


あんまりキョロキョロするのと目立つ気がして、こっそり周りをチェック。

しばらくすると、女の子達のヒソヒソ声が聞こえてきた。
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