私だけに甘いあなたと恋をする
※※※



「あ、おかえりー」


リビングのドアが開く音がして、視線を向けるとスーツ姿の響が入ってきた。


「ただいま」


相変わらず帰宅が遅くて、毎日帰ってくるのが九時ぐらい。


「いつもお疲れ様」


「ありがとうございます」


お母さんも遅い響を(ねぎら)う。


「そんなに毎日忙しいの?」


「はい、もうすぐ中間テストですから」


あ…。

しょっちゅう宿題テストがあるから忘れてた。

年間行事に書いてたっけ。


「まゆり、勉強してるの?」


う…。

矛先がこっちに…。


「それなりに…」


無難な答えを返しておこう。
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