私だけに甘いあなたと恋をする
「響ちゃん、ありがとう!」


「じゃあ、それ響くんの食後のデザートに出しましょうか。先に晩ご飯食べちゃって」


お母さんが私の手からケーキの箱を奪っていく。


あぁ…。

せっかく響ちゃんが買ってきてくれたケーキなのに…。


「そんな…。こんな時間から申し訳ないですし……」


「遠慮しない!ちゃんと食べないと倒れちゃうわよ」


「…ありがとうございます」


お母さんの言葉に私も深く頷いた。

確かに響ちゃんは背が高い割に細くて、(やなぎ)みたい。


「お昼は?ちゃんと食べてる?」


「まあ…、食べられる時には……」


お母さんの勢いに、たじたじだ。
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