私だけに甘いあなたと恋をする
「まゆ」


「ん?」


「甘い匂いがする」


甘い…匂い?

お母さんが入れてくれたココア?

それとも響ちゃんが買ってきてくれたイチゴのショートケーキ?


響ちゃんに言われて大きく息を吸い込んでみたものの、それらしい匂いはしない。


「甘い匂いって…?」


(うず)めていた顔を上げ、首を傾げると響ちゃんの頬が私の頬に触れた。

猫が顔を(こす)りつけるみたいに。


……うわ…っ…。

お風呂上がりの匂いがする。


いつも使ってるボディソープ。

それが私を抱き締めてる人から漂ってくるとか。

密着してるこの状況とか。

突然の展開に頭がパンクしそう。
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