私だけに甘いあなたと恋をする
「で、何?響ちゃん何者?」


腕の中から身を乗り出す。

もう興味しかない。


「『何者』って…」


そう言って笑った。

くしゃっとした笑い顔。


どう見ても人間だし。

しかもこんなに長い時間至近距離で居ることなんてなかったから初めて知ったけど、肌もキレイなんだよね…。


響ちゃんの頬に手を伸ばすと顔の向きを変え、私の手のひらに触れるだけのキスをした。

何でもスマートで大人な響ちゃん。


何か……完璧過ぎて悔しい…。


「母さんは人間。で、父さんが吸血鬼と人間の血が混じってる。だから俺は人間の血が濃い吸血鬼ってところ」


伸ばした私の手首を掴み、内側を唇が()う。
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