私だけに甘いあなたと恋をする
「――っ…」


触れられたところから背中まで、電気が走り抜けたように鳥肌が立った。


「まゆから甘い匂いする」


「私っ…?」


「そう、まゆの血の匂い」


血…。

…って甘い匂いしたっけ…?

どっちかっていうと、あんまりいい匂いじゃないような…。


「……あれ、ちょっと待って」


「ん?どうしたの?」


私の手首は、変わらず響ちゃんに捕らわれたまま。


「吸血鬼だったら、もしかして血が主食?何で太陽の下で生活できるの?ニンニクとか十字架は大丈夫なの?心臓に杭打たれたら死ぬの?コウモリに変身したりする?」


思いつく限り質問をぶつけてみる。
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