私だけに甘いあなたと恋をする
「何かまた変な想像してるでしょ」


顔を覗き込まれる。


「え…、だって……。響ちゃんが食べたら指なくなっちゃう…。人差し指ないと不便だもん」


「ふはっ…」


そう訴えるとなぜか吹き出した。


「食べるって、言葉のあやだけど…。まゆはあり得ないぐらい純粋過ぎるね」


「だって……。吸血鬼とか…架空の存在だと思ってたもん…。それに吸血鬼のことなんて何も知らないから、どこまでが本当でどこからが冗談か分かんないし…」


「そっか。ごめんごめん」


「だけど響ちゃんは嘘吐くような人じゃないって思ったから…」


響ちゃんに誤解を与えないよう、言葉を選びながら(しゃべ)る。
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